読みたい本のメモとなります。
銃・病原菌・鉄(上)銃・病原菌・鉄(下)世界の富や権力は、なぜ現在あるような形で分配されてしまったのか? たとえば、なぜヨーロッパの人々がアフリカや南北アメリカ、オーストラリアを征服し、どうしてその逆ではないのか? この究極の問いをとことんまで追いかける。
その謎解きがスゴい。単に仮説を積み重ねてストーリーをつむぎだす「物語作家」ではなく、科学者が見た人類史であるところがミソなんだ。必ず客観
的データによって検証を行っている。仮説を裏付けるエビデンスのひとつひとつは、炭素年代測定法やDNA解析を用いた科学的手法に裏付けられており、強い説得力を持っている。
数千~数万年単位の歴史を、猛スピードでさかのぼり、駆け下りる。大陸塊を横長・縦長で比較しようとする巨大視線を持つ一方で、たった16キロの
海峡に経だれられた文化の断絶ポイントを示す。時間のスケールを自在にあやつり、Google Earth
をグルグルまわす酩酊感と一緒。地球酔いしそうな人類史から明かされる「富の偏在」の謎――それは、驚くとともに納得できるだけの理由をもっているぞ。
古典というより教典。小説、シナリオなど、創作にかかわる人は必読。
著者アリストテレスは、悲劇や叙事詩を念頭においているが、わたしはフィクション全般に読み替えた。フィクションを創造するにあたり、観客(読み手)に最も強力なインパクトを与え、感情を呼び起こすにはどうすればよいか?構成は?尺は?キャラクターは?描写は?本書には、「解」そのものがある。
著者に言わせると、わたしたちヒトは、「再現」を好むのだという。この概念はミーメーシスといい、模倣とも再生とも翻訳される。現実そのものを見
るのは不快で、その現実を模倣したもの――演劇だったり彫刻、絵画だったりする――を見るのを喜ぶのだという。彫刻や舞台を用いることで、これは「あの現
実を模倣したのだ」とあれこれ考えたり語り合うことに、快楽をおぼえるのだ。
創作のデザインパターンともいえる一冊。小説、シナリオなど、創作にかかわる人は、ぜひ読んでほしい。読み手に快楽を与える原則があるのだから。
建築デザイナー向けだが、システム屋のわたしにも効果大のスゴ本。
本書は、建築タイポロジーの解説ではないし、建築デザイン・テクニック集でもない。仮に本書が建築デザインについての形式論・類型論だったなら、わたしにとって、何の役にも立たないだろう。
しかし、デザイナーとしての才能やテクニックに関係なく、つくるキモチに焦点を当てている。たとえば、場のつくりかた、発意の仕方、他者との共有
方法を理解することで、どういう瞬間にプロジェクトが「まわって」いるかを感じとれる。いちいち具体的で、かつ、そのままITプロジェクトにハマる。
デザインプロジェクトに効く63のキーワードと、現場の会話ログを追いかけるうちに、プロジェクトを「まわす」のに建築もシステムも大差なく見えてくる。つくる「モノ」は違えども、つくる「コト」は同じなのだから。
「眼の経験値」を上げるスゴ本。
いデザインを見ることで、眼が肥える。同時に素材に対し、「いいデザイン」であるとはどんな表現なのかを感じ取れるようになる。いままで「感性を磨く」という言葉で片付けられていた経験は、「本書を読む/視る」に置き換えてもいい。
スーパーマンからマッドマックス、ピカソやエッシャー、ウォーホルといった実例がてんこ盛りで、絵画や写真、タイポグラフィやイラストから、デザ
インの手法・見方が紹介される。モノとカタチ、デザイナーはこれらをどのように見ているのかが、デザイナー自身の言葉で語られる。なじみ深い作品を入口と
して追いかけているうちに、いつしか自分の見方を変えてしまうぐらいの破壊力をもつ。
たとえば、映画のストーリーを視覚化する試みがある。ストーリーを構成するキャラクターや出来事、関係性などが、アイコンや矢印、タイポグラフィ
や色で表現される。一種の逆転の発想だ。つまり、脚本を映像化したのが「映画」なのではなく、キャラやイベントはアイコンのようにドラッグ&ド
ロップ可能に思えてくる。
その例として、「遊星からの物体X」のチャートがある。エイリアンが誰の人体を乗っ取っていくかがアイコン化されたグラフックで描かれるのだが、
これを「アート」というよりも、動的ストーリーと呼びたい。ホラー映画が、アイコンの動きに応じて二転三転していく、いわば「ストーリー・シミュレー
ター」のように見えてくる。
異なる回路がつながってゆき、自分の認識が開かれていく、デザイン・アイディアの思考展――そんな経験ができる。そう、「読む」というより「経験する」一冊。
舌を肥やすように、眼を肥やすべし。
知的複眼思考法
学生向けの、論理思考指南書なんだが、そこらのロジシン本を蹴散らす出来。
読むべきは、第3章「問いの立てかたと展開のしかた」。ここでは、MECEとなるための思考方法を説明してくれる。実は、優れたツリーの裏側に何
十枚もの「デッサン」がある。書いちゃ捨て、拾っては直しのスクラップ&ビルドが必要なんだが、フツーの指南本はそこを省く。本書には「デッサン」の線が
沢山見えてくる。
あるいは、アウトプットのための手法に限らず、インプットも批判的にできる。第1章「創造的読書で思考力を鍛える」が素晴らしく、ここを読むだけ
で、以降、目的を持った読書ができることを請合う。学生さんを想定しているため、噛み砕き具合がハンパじゃなく、まさに「読めば分かる」一冊として仕上
がっている。
SF史上不朽の名作。
地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船――というベタな話と思いきや、SFとしてだけでなく、ミステリとしても超一級のおもしろさをお約束。
あるいは、感傷を超越して、自分ではどうしようもない、取り返しのつかないものを眺めている――
そんな気分を味わうこともできる(わたしの場合、ラストの件で思わず涙してしまった)。
ハヤカワ文庫で読んだのだが、光文社から新訳が出ている。第一部が改稿されており、amazon評を見る限り、新訳のほうが良い出来とのこと。このblogを読むような方なら既読だろうが、万が一、未読なら、是非読むべし。
超スゴ本。読みながらのたうちまわった。よじれたのは脳と腹。もだえたのは尻と口。
この、みょうちきりんな体験は、ええと、ジョイスやバロウズ、ギブスンや尾崎翠やツツイヤスタカと比較したくなるけれど、そういう 無★粋★な★こ★と はしない。お高くとまりやがって批評する奴ぁ漬物石くくりつけて日本海に沈めちまえ。
読者は考えること禁止な。ひたすら没入・挿入・チン入を強要させられる。身もココロもヘトヘトにさせられる。本とファックする感覚。うん、本書の紹介に「実験小説」とあるが、実験台にされているのは読者だな(断言)。
ストーリーなんてページをめくらせるための方便。食べられるように読まされる。typoではない。本が襲いかかってきて、食べられる感覚。冷静に
読ませてくれない。下品、汚猥、造語、駄洒落、鏡言葉(Ind'dni)、Double
Meaning、アメコミ、抽象画像?崩壊した言語感覚のタレ流しなら、クダラナイの4文字で済むが1文字足りない。イが足りない言い足りない。やヴァ
い、脳がヤられるるるるるるるるるるる。
完全にぶっこわれた小説。脳がねじくれるような感覚を味わうならオススメ。わたしみたく一緒になって壊れないように。読み手を選ぶ、しかも激しく。赤い表紙だ。本屋で試してみろ!
お借りしたサイト:http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2009/10/100-7590.html