へい。
老人ホームに往診に、「いかせてもらっている」あかがまさんです、げろぴ。
先日、あかがまさんは、老人ホームから、私服での立ち入り禁止を申し渡されました。
老人ホームで、
高貴な入居者の御方を、拝診するまえには、
綺麗に手指消毒をして、うがいをして、私服から、クリニックの中できる、「囚人服」を着用します。
まあ、あかがまさんは、ここでは、「ばい菌待遇」なので、中に入れていただけるだけでも、感謝の涙をながします。
はい。
そして、
とっても、えらいえらい、介護士様や、看護師様の指示の元、あかがまさんは、診察をさせていただきます。
はい。
入居者様は、神様です。
介護士様は、ご主人様です。
介護士様の命令は絶対です。
ばい菌往診医のあかがまは、この御方たちに逆らうことは許されません。
「入居者の、ブルコング・波江様(仮名)が食欲がない、なんとかしろ」
介護士様の命令に、あかがまさんは、「はい!なんとかします。よろこんで!」とうれしそうに返事をしないといけません。
わかりますか?
いやいや、返事なんかすると、
「おい、おまえはここで仕事をするのがいやなんか?いややったらいつでもやめてもいいんやで、代わりはなんぼでもおるんやで」
ということをいわれて、ご主人たまにちくりが入ります。
……。
このあいだも、素敵な仕事をするよう、介護士様から命令されました。
「チタノドン・紀子様(仮名)の爪がのびているから、爪きりで綺麗にせよ」
……。
最近は、老人ホームの、お客様の爪の手入れも、医者の仕事になったんだ……。
異論はあっても、決して、介護士様にさからってはいけません。
あかがまさんは、
爪白癬で真っ白になって、1センチほどに伸びた爪を、綺麗に切りそろえて、鑢をかけてきれいにします。
作業中は、何も考えてはいけません。
自分の今やっていることが、本当に医者がすべき仕事であろうかと、疑問を抱くと、もはや、
老人ホームの仕事なんて、「素晴らしすぎて」出来なくなるので。
ネイルサロンで、こういう爪のお手入れをする仕事の人が、いくら、お客さんからお金をもらっているかはしりませんが、
すくなくとも、二十分ないし三十分のあいだ、チタノドン様の、爪のお手入れは、あかがまさんのただ働きです。
……。
大学院出て、博士号をもらって、その上がりが、なんと、寝たきり老人の方の爪のお手入れ業です。
……。
まあ、ばい菌には、ふさわしいしごとかもしれません。
そのあと、そこの施設長さまにあかがまさんは、呼びつけられました。
施設長様は、介護士の頭目なので、当然、あかがまからすれば、雲の上のお方です。
「あたし、具合がわるいのよ」
「はい?」
施設長様は、ご気分不良なので、診察をして薬をだせ!とのことですが……。
えーと。
あかがまさんは、
入居者の往診はやりますが、
職員を往診させてもらうなんて契約はしていませんが……。
ま、彼らからすれば、あかがまなんて、ただの便利屋にしかおもっていませんから、
「ちょっと、あたしも診察していきなさいよ」ということなんでしょうが。
こっちからすれば、うちのクリニックにくるのが筋なんですが、
彼女らにとっては、「自分が法律」ですから、むちゃくちゃをいってきてくれやがります。
一度、人を見下す癖がつくと、どんどんエスカレートするものなんでしょうなあ。